大いなる力は大いなる責任が伴う

コラム
大いなる力は大いなる責任が伴う

最近、奥さんと映画館で「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」を見てきました。

事前にスパイダーマン全作品を見てから行きましたが、今更ながらスパイダーマンのストーリーは面白いですね。

ヒーローといえど中身は人間・・・とても人間くさいヒーロー像にすごく共感ができます。

そしてスパイダーマンと言えば

『With great power comes great responsibility』
(『大いなる力は大いなる責任が伴う)

というベンおじさんの言葉が有名ですが、僕自身も最近この言葉が頭から離れません(笑)

さてここから本題に入ります。

では、あなたにとって「責任」とはどんな意味がありますか?
例えば「責任を持ちなさい!」と言われると、どんな感じがするでしょう?

この責任という言葉に、ネガティブなイメージを抱く人は多いかもしれません。
「責任を取らされて〇〇を辞任する・・・」とか、日本のニュースではよく目にしますから。悪いイメージが先行しても仕方ないですね。

ただ1つ間違いなく言えるのは「自由を得たければ、そこには必ず責任が伴う」ということです。これは疑いようのない真理です。

確かに社会的な地位が上がり、影響力が増え、有名になればなるほど責任は増えます。ただそれは「責任を負うからこそ、社会的な地位と影響力が手に入る」という意味でもあります。

社会的な地位、影響力を得ることのメリットは大きいです。もちろん収入も増えますし、自分のできることが増えます。また人に応援してもらったり、動いてもらうこともできます。他の人が知らないような情報を得るチャンスも増えるでしょう。

責任を負うことで、得られるメリットは計り知れないんですね。というわけで、今回はずばり、スパイダーマンの中にも出てくる「責任」についてお話ししたいと思います。

少し大きな話に聞こえるかもしれませんが、もしあなたが

・会社で責任を負う立場にいてプレッシャーを感じている
・家族の大黒柱という責任を重く感じている
・自分に対する責任(約束)が果たせなくて苦労している

といった場合は、是非この話を参考にしてください。きっとあなたの中にある責任の意味が変わって気持ちが楽になるはずです。

責任が怖い・・・

責任が怖い

僕にとって責任とは「気持ちが重くなるもの」でした・・・だから責任という言葉がとても苦手だったんです。良いのか悪いのか、昔からリーダー的な責任を負う立場に選ばれることも多かったので余計に嫌でしたね。

それで沢山の失敗を経験していますし、会社員の頃には躁鬱病になったこともあります。当時は責任の重圧に負けてしまったわけですね。そんな経験をしているからか、その後もある一定のラインを超えると途端に動きが鈍くなったりするんです。

例えば分かりやすいのは「仕事が忙しくなりそうな時(つまり責任が多くなる時)」ですね。

どんなに楽しいことでも、仕事が増えて、目の前にやるべきことが沢山現れて、色んな人の期待が集まって・・・となると一気にテンションが下がり、無意識のうちにそれを避けようとしてしまうんです。

僕は高校の時からギターが大好きで、学生時代はバンドをやるためだけに大学を1年休学したり「ギターで食っていきたい!」という思いを強く持っている人間でした。
実際以前やっていたバンドでは、CDを作りタワレコに並べてもらったり、ラジオ出演したこともあります。

ただその時も、活動が忙しくなればなるほど「うわ、もうバンドやりたくない!」となり、実際にバンド活動を辞めてしまったことがあります。今思えば「無意識の回避」が起きていたのかもしれません。

会社を辞めて独立してからも、この感覚はずっと続きました。会社員とは違い、起業家にとって仕事が増えること=収入が増えることなので、本来は喜ばしいことなのですが・・・またしても無意識的にそれを避けようとしていました。

ちなみに、そんな時に頭に出てくる言葉はこんな感じです。

「いや、いくらお金を貰えたとしてもこれは自分がやりたい事じゃないんだ!俺は誰にも縛られずに、もっと自分らしく生きるんだ!!」

今でこそ本当にそう思っていますし、自分の価値観に沿わないことは絶対にやらないと決めています・・・が、当時のは「責任を負わないための」ただの言い訳ですね(笑)

もちろん一定以上の仕事をしないので、収入も頭打ちになります。すると自分の出来ることも増えないので、ずっと同じことをやっている感覚になり、また更にテンションが下がる・・・という悪循環がうまれます。

「なぜ自分はこんなに責任を持ちたくないんだろう?」

そんなことをずっと考えていました。そして、僕はあることに気づいたんです・・・

責任がプレッシャーになる理由

起業してから分かったことですが、ビジネスがうまくいってる人って責任の取り方がうまいんですね。何というか「自分で抱えすぎない」って感じで「この人って意外に楽天的だなぁ・・・」と感じることもしばしば(笑)

当時、あるアドバイザーから「そんなに責任を感じる必要はないですよ。自分の言ったことをやっておけば良いんです。」と言われたのですが、全く意味が分かりませんでした。

それに比べて、なぜ自分はこんなに責任を重く捉えてしまうのか?そんなことを考えていた時に、ふと僕は「自分が責任を勘違いしていること」に気づきました。

結論、僕にとっての責任は「人の機嫌を良くすること」に結びついていたんです。

つまり、僕の仕事に対する評価基準は「クライアントの機嫌がよくなったかどうか?」であり「いくら自分がやるべきことをやっても、相手の機嫌が良くならなければそれは責任を果たしていない」と考えていたんです。もちろんこれは「無意識」です。

そしてその原因を辿ると「母親との関係性」にありました。

今考えても母親はすごく優しい人で、いつも機嫌が悪いわけではありません。それでも僕は昔から母親の機嫌ばかり気にしている子でした。今でもよく覚えていますが、当時の口癖は「ねぇ、いま機嫌悪いの?」です(笑)

そうやって幼少期は周りの人の機嫌ばかり気にしていましたね・・・まあ、おかげさまで「人の顔色が変わる瞬間」が察知できるようになり、今の仕事にも活かされていますが。

なんにせよ、そんな経験がいつのまにか僕の責任に対する解釈を歪ませ「仕事するからには、相手の機嫌を良くしなきゃ!」という勘違いを生み出していたわけです。

これが僕の中で「責任の意味が変わる瞬間」でした。

本当の責任とは?

本当の責任とは?

でもここには大きな問題があって・・・人の機嫌を良くするなんてハードルが高過ぎるんですね。人の機嫌を伺っている限り、僕の責任に対するプレッシャーは大きくなるばかりです。なぜなら機嫌なんてものは簡単に浮き沈みしますし、自分でどうにも出来ないからです。

それに気づいてから僕は

「相手の機嫌が良くなろうが悪くなろうが、自分には関係ない」

と思えるようになりました。(正確には少しずつ思うようにしました)
もちろん相手が笑顔になってくれるに越したことはありませんが、それは相手の問題です。そう考えるだけでかなり気持ちが楽になりました。

そして次に「じゃあ自分が本当に負うべき責任とは何なのか?」と考えた時に、ハッキリ分かったのが「結局、自分が言ったことをやること」でした。

昔アドバイザーに言われたことが、ここでやっと腑に落ちたんですね。

「自分が言ったことだけやる」僕はこれが責任の最小単位だと思っています。

そして同時に「自分がしないことを言わない」も責任であると理解しました。

もちろん、その先には「相手を笑顔にする、満足させる」ということも目指しますが、それはあくまで二次的な副産物だと思っています。もし仮に自分の仕事で相手が笑顔にならなければ、その原因を探ってリサーチして改善すれば良いだけですからね。まずは自分が言ったことをやる!を考えておけば良いんです。

ちなみに責任の取り方にも段階があると思っています。

それをざっくり言うと

⑴自分の言ったことをする/しないことを言わない
⑵自分の出来ること(でもまだしていない)事をする/全く出来ない事はしない
⑶自分に関わる人に責任の範囲を広げ、相手の満足や笑顔を増やす
⑷社会に責任の範囲を広げ、社会に対して出来る事をする

です。

まずは⑴からなのですが、いきなり⑶をやろうとするとキツくなります。責任の度合いは徐々に増やしていくべきです。

あなたにとって「責任」とは何ですか?

もしあなたが今何かしらの責任を負う立場の場合、自分の責任の範囲を理解しているでしょうか?

自分のすべきこと・出来ることを飛ばして、いきなり「周りの期待に応える!」と考えていませんか?期待感ならまだしも、僕のように「責任=相手の機嫌を伺うこと」なんて思っていないでしょうか??

繰り返しますが、まずは「自分の言ったことをする/しないことを言わない」です。つまり自分に対する責任を果たすことが第一歩なわけですね。

もっと身近な例で言えば「今年は生活習慣を変える!」とか「毎月5万貯金する!」とか「5kg痩せる!」とか言いつつ「ま、明日からね・・・」と言い訳していないでしょうか?(笑)

「しない事は言わない」も大切ですよ。

僕は事業を通して「地方創生リーダーを育てること」を目的にしていますが、リーダーには必ず責任が伴います。ただそれは世間で認識されているような「無理強いさせる」「負わさせる」「プレッシャーをかける」という意味ではなく「自分に対する責任を果たす」という意味です。

結局自分に対する責任が果たされていくと、自然にその影響を広げる機会がやってくるはずです。「言った事をきちんとする人/しない事を言わない人」は周りからの信頼も得やすくなります。すると新しいチャンスも増えるでしょう。

その時に少しずつ「相手の期待」も意識しながら、でもまずは自分の責任を果たすことを続けていれば、結果的に相手の期待を超える仕事ができるようになります。

ちなみに、いま僕が常に意識してるのは「自分の価値観を最優先させること/価値観に合わないことはしないこと」です。もっと言えば「自分が精神的に豊かで、周りに配慮し、尊敬し、大切にできる人であること」です。

それはつまり「精神的な豊かさを感じない、周りに配慮しない、尊敬しない、大切にしない人・環境と一緒にいない」という意味でもあります。

あなたにとって責任とは何でしょう?何をして、何をしないことでしょうか?
責任の入り口を誤解しないようにして下さいね。

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