チームが成長しないのはアレが原因です

コラム
チームが成長しないのはアレが原因です

僕はむかし「ポジティブで熱血な人が多い会社」で働いていたことがあります。

当時はなかなか地獄でした・・・なぜなら僕は「ポジティブと熱血」がすごく苦手だったからです。根性とか精神論で語られるのが苦手なので、学生時代の部活とかホント大嫌いでした(笑)

そもそもポジティブ思考で解決できないことは多いですし、僕自身が昔から「ネガティブは悪い事ではない」と思っていたからです。

ちなみにその会社は「人の愚痴は絶対に言わない!」みたいな風潮がある会社だったんですね。
一見すると良い環境だと思うかもしれませんが、ネガティブな感情を持たない人間などいません。

それを言葉にするかどうかは別として、不満や愚痴が1つも思いつかない人間なんていないと思います。だから当時は違和感しかありませんでした・・・後から分かった事ですが、実際その会社は根深い「いじめや嫌がらせ」が多発していたそうです。

というわけで私の昔話はさておき、このように多くのビジネスマンを悩ませるもの・・・それが「人の問題」ですね。

人の問題と言っても実に様々ですが、今回は人材教育というテーマで

「人やチームが自分らしく成長するにはどうしたら良いのか?」

という課題に焦点を当ててみたいと思います。

絶対に欠けてはならないもの

ちなみに僕はこれまで人材教育という分野で、述べ1000人以上に対して研修や個別コーチングを行ってきました。また先に言った通り、割とブラックな会社で働いたこともありますし、逆にすごく働きやすい会社で勤めた経験もあります。

そんな経験から私は「人の教育に絶対に欠けてはならないもの」に気づいたのですが・・・それは一体なんだと思いますか?

・質の高い研修プログラム?
・そもそもの教育方針?
・モチベーションを上げる高い給料?

でしょうか?

結論から言うと、人材教育の基盤となるのは

「心理的安全」

なんです。

心理的安全とは、そのまま「人が安心・安全でいられること」です。現代では結構当たり前のことでもあるのですが、組織の中で人を教育する立場にいる多くの人が、これを分かっているようで分かっていません。

例えばあなたの職場を思い出してみてください。

・人の失敗を笑っている人がいないですか?
・影で悪口を言っている人がいないですか?
・「特定の誰か」の感情で、物事が動いていないですか?

どうでしょう?

こういった環境の中にいる限り「私も誰かに何か言われたらどうしよう・・・」となってしまい、心理的な安全など確保できないはずです。

残念ながら心理的安全が確保できない環境では、いかに優秀な研修ツールがあっても全く意味がありません・・・実際様々な企業で人材研修が行われていますが、それにより思った通りの成果を得られている企業は一体どれくらいあるのでしょうか?

本当に人を育てようと思うのであれば、まずは根本的に「安心・安全の場を作る」ことが先決です。ではどうしたら本当の心理的安全が確保できるのでしょうか?

オープンでいられる環境

心がオープンな環境

まず僕は「心理的安全を感じている状態=心がオープンな状態」だと考えています。

オープンな状態とは

・自分らしくいられる
・常にリラックスした状態でいる
・良いことも、悪いこともはっきり言える

という状態のことです。

自分らしくいられる人は、周りの人にポジティブな影響を与えます。リラックスした状態は思考能力が高まります。良いことも悪いこともはっきり言える環境は、組織全体の生産性が高まるでしょう。

組織をこのようなオープンな状態にすることが理想なのですが・・・だからと言って「他人の批判をやめましょう!」「自分が言いたい事を言いましょう!」と言ってもそれは無理な話です。

じゃあどうすれば良いのでしょうか?

ここでよくあるのが、現代で言えば「マインドフルネス」を取り入れてみようとか、常に成長している企業の社風を真似しよう、研修を取り入れてみよう・・・という発想だと思います。

たしかにマインドフルネスは非常にパワフルです。僕も大好きな考え方ですね。

ただここで必要なのは「オープンでいることを邪魔するもの」という根本的な原因を知ることなんです。結論、そういったことを紐解いていくと「思考バランスの欠如」が1番の原因であると僕は考えています。

人は良くも悪くも「偏った思考」を持っています。

仕事で言えば「仕事は頑張ってするもの!」「仕事は好きな事をやるべき!」とか。
家庭で言えば「男は稼いで当たり前!」「女は料理ができて当たり前!」とか。
健康で言えば「糖質抜きダイエットが良い!」とか「脂質抜きダイエットが良い!」とか(笑)

どの考えもある側面から見れば確かにそうなんですが、それが必ずしも正解とは限りませんよね。すごく当たり前なのですが、これを理解するのは重要なことです。

つまり「オープンでいることを邪魔するもの」の答えは、思考バランスの欠如・・・つまり「偏った考え方による思い込み」である可能性が非常に高いんですよね。

「あの上司が好きだ、嫌いだ!」も「あの部下は仕事ができる、できない!」も、全部偏った考え方から来るものです。実際は「あの上司が好きな人もいれば、嫌いな人もいる」だし、「あの部下はある分野では仕事ができるが、ある分野では仕事ができない」が現実だと思います。

つまり本当の意味で「心理的安全」を確保しようと思ったら、個人が「バランスの良い考え方」を身につける必要があるんですね。これを無視して、1つの研修でいきなり組織全体を変えようとしても無理があります。

思考のバランスを整えるために・・・

ではそのためにどうするか?

その第一歩として効果的なのが「自分を客観的に知ること」です。

例えば「私はあの上司が嫌いだ!」と思っている人は

・細かい事ばかり言うから嫌いだ!
・言っていることが支離滅裂だから嫌いだ!
・人を大切にしないから嫌いだ!

といったように、その上司の嫌いな点ばかり考えているはずなのですが、本人はそれに気づきません。自分のことは自分では分からないんですね。

だとすると、何かしらの手段を使って

・なぜ話が細かいと嫌なのか?
・なぜ支離滅裂だと嫌なのか?
・なぜ人を大切にしないと嫌なのか?

といったように自分の思考を整え、客観視する機会が必要です。

ちなみに自分を客観視する方法は色々あります。自分の価値観を知るのも有効な手段ですね。

「価値観」については、こちらでも書いています。

また僕が人材育成の基盤で活用し、公認トレーナーを務めている「ウェルスダイナミクス」を使うと、自分を客観的に理解することができます。

ウェルスダイナミクスとは、世界で100万人が活用している人材育成ツールであり、その中には「10分であなたの才能が分かるテスト」というものがあります。これを受けることで、あなたは自分の才能・・・つまり「自分の強み・弱み」といった特性を理解することができるんです。


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※こちらのリンクは外部サイト「一般社団法人 日本適性力学協会」のページです。

自分の特性が分かると「あの人の特性」も自然と分かるようになります。だからこそ、その結果として「あの上司を嫌いな理由や「あの部下が気に入らない理由」が分かるようになるわけです。

そもそも、あなたとその人は「全く異なる思考特性」を持っている可能性があります。
ある人は「行動する前に細かい事が気になり過ぎてしまう」のに対して、ある人は「あまり考えなくてもどんどん行動できる」という場合がありますが、これは全て特性からくるものです。

そのことを知らないまま、偏った思考で判断をしてしまうと「あの上司は細か過ぎる!」とか「あいつは何も考えずにすぐ行動しようとする!」といった結論に至ってしまうんですね。

そう考えると「あなたにとっての常識は、誰かにとっての非常識」なんです。あなたが当たり前と思っていることは「偏った思考」である可能性があることを覚えておいてください。

また人間は「自分が理解していると思っている領域でこそ冒険ができる!」という特性を持っています。自分のことを知らない、あの上司のことを知らない、部下のことを知らない・・・という状態では、誰も積極的になれないのは当たり前のこと。

逆に自分をよく理解している人は強いです。周りから何と言われようと「これが自分です!」という軸を持っているからです。またそういう人はフラットに物事を見れるので、自由な発想をしたり、積極的な行動をすることが出来ます。

組織やチームが活発になり、新しいアイデアが飛び交い、個々が活き活きとしている・・・そんな環境を作りたければ、まずは自分のことを客観的に眺めてみてください。

冒頭で申し上げた通り、僕はポジティブ過ぎる環境が苦手でした。

僕がそうだったように、どれだけオープンな環境にいても、自ら心を閉ざしてしまう人は必ずいるものです。だからこそ本当の意味での心理的安全は、外部の環境からではなく「自分の内面」に作り出す必要があるわけですね。

あなたも是非、この機会に自分を見つめ直してみてください。