コラム
本当は「もっと人と繋がりたい!」と思ってるのに、人付き合いが苦手でうまくいかない人へ
僕は人材育成の中で様々なツールや考え方を用います。
その中でもよく挙げるのが「価値観」と「才能」ですね。
価値観とは「あなたの大切にしていること」です。
才能とは「あなたが他人よりうまく出来ること」です。
自分の価値観を知って、才能をうまく使えるようになると仕事はもちろん、人生がかなりイージーモードになるのですが・・・ここで絶対に忘れてはいけないのが「価値観と才能を分けて考えること」です。
「大切にしたいこと」と「他人より上手く出来ること」を一緒に考えてしまうと、思わぬ苦しみを味わうことがあるからです。
例えばあなたには
「本当はもっと人との繋がりを深めたい・・・けれどなかなか上手くいかないし、人と仲良くしようとすればするほど疲れてしまう」
みたいな経験はありませんか?自分の想いに体がついていかない、というケースですね。
これは正に「価値観と才能をごちゃ混ぜにしてしまった結果」だと僕は考えています。
というわけで今回は、こういった状態を解消し
「あなたの価値観と才能をスムーズに連携させて、仕事やプライベートを10倍充実させる方法」
についてお話ししたいと思います。
価値観と才能の違い
冒頭で「価値観と才能を分けて考えること」とお伝えしましたが、そのためにはそれぞれの意味をきちんと理解する必要があります。
まず価値観とは「あなたが大切にしたいこと」です。
仕事とか、家族とか、健康とか、趣味とか、あなたが大切にしたいことそのものです。そして何を大切にしているか?で思考方法や選択基準は変わります。
例えば、あなたがこれから転職をしようと思った時・・・
「仕事」の価値観が高ければ、仕事内容はもちろん「収入、自分が活躍できるポジション、キャリアアップの可能性、会社のブランド、社長の考え」などを判断材料にするかもしれません。
「家族」の価値観が高い人は、家族との時間を考えて「家から近い職場、残業の有無、休日の多さ、育児休暇の有無」などを考えるかもしれません。
同じ仕事選びでも、判断材料が異なりますね。これが価値観であり「あなたの大切にしたいこと」です。
それに対して、才能とは「あなたが他人よりうまく出来ること」です。
これは“あなたが大切にするかどうか?”は関係ありません。単にあなたが持っている「他人より秀でた能力」を指します。
例えば「他の人が思いつかない斬新なアイデアを出すのが得意」とか「人の気持ちに配慮してケアするのが得意」といった能力ですね。
大事なので何度も言いますが、才能に「大切にしているかどうか?」は関係ありません。
アイデアを出すことが大切かどうかではなく、ただ「アイデアが出せる」のが才能。人の気持ちが大切かどうかではなく、ただ「人の気持ちがわかる」のが才能なんです。
→ここがポイントで、これを理解しておかないと「価値観と才能がごちゃ混ぜ」になってしまうことがよく起こります。
なぜなら「得意なことは、結果として大切なことになりやすいから」です。
あなたが自分の才能に気づいているかどうかは別として、あなたがこれまで何かしらの分野で成果を出してきたこと、上手くいったことには才能が使われてきた可能性が高いです。
当たり前ですが、得意なことをすると結果が出しやすいはずです。
また成功すると人から褒められたりしますし、充足感が高まって気分が良くなりますよね?
そして一度うまくいくと「もっとうまくやってみたい!」って思いますよね??
ピアノを弾いたら周りから「すごい!」って褒められた!数学だけはテストで90点を切ったことがない!
みたいな経験は、才能がきっかけで得られた可能性が高いのですが・・・
その人にとっては心地よい経験
↓
もっとうまくやってみたい!と思うようになる
↓
ピアノや数学が自分にとって大切なことになっていく
というプロセスを辿ることが多いんです。
しかしそれはあくまで結果であり、ピアノや数学が必ずしもあなたの価値観というわけではありません。
これが価値観と才能の違いであり、ここが区別出来ずに混ざってしまうと「思わぬ苦しみ」が生まれてしまうことがあります。
サッカーが好きな少年
これはスポーツに例えると分かりやすいです。
例えばサッカーが好きな人が男の子がいたとします。
彼は「体を動かすことや一緒にプレイする仲間が大好き!」です。だからサッカーをしているとそれが満たされます。(価値観)
そして、いつしか彼はサッカーでプロになることを目指すようになりました。
しかし彼は体が小さくて、走ることもあまり速くありません。(才能)
でも彼はサッカーが好きなので夢を諦めませんでした。
これが映画やドラマであれば「夢を諦めなかった少年がプロサッカー選手になる物語」が出来上がるかもしれませんが・・・現実は厳しいもの。このままいくと、彼は価値観と才能とのギャップに悩まされる可能性が高いです。
では、ここで彼に「試合状況やチームメンバーの能力を冷静に分析できる」という才能があったとしましょう。単にサッカーのスキルを上げるだけでなく、その才能を使ってチームをサポートする役割を担ったらどうなるでしょうか?恐らくチームにとって彼の存在価値が高まり、彼自身もラクでいられると思いませんか?
そもそも彼の価値観は「体を動かすことや一緒にプレイする仲間が大好き」でした。
そこに「分析の才能」を掛け合わせることで、価値観はそのままにもっとサッカーを自分らしく楽しむことが出来るようになるかもしれません。
ちなみにこれは「夢を諦めろ」という話ではありません。
「価値観と才能のギャップを正しく理解すると、より自分らしい選択ができる!」
ということをあなたに理解しておいて欲しいんです。
あなたの抱えているギャップは?
では話を戻しますね。もしあなたに
「本当はもっと人との繋がりを深めたい・・・けれどなかなか上手くいかないし、人と仲良くしようとすればするほど疲れてしまう」
といった悩みがあるとしたら、それは価値観と才能のギャップが原因かもしれないんです。
まず「本当はもっと人と繋がりたい!」というのは価値観ですね。
しかし、才能面から見ると「人と話すことは苦手だけど、1人で黙々作業するのは得意!集中力があり、他の人よりも正確な仕事ができる」というタイプだったとします。
この才能タイプを「強みと弱み」で表現すると
強み:集中力があり冷静沈着
弱み:沢山の人と繋がること
といったタイプです。
この例で考えると「本当はもっと人と繋がりたい・・・けど、人と繋がることがそもそも苦手」という風に、価値観と才能が反発するケースが存在することが理解できるはずです。
だから「価値観と才能を分ける」必要があるんですね。
価値観と才能を連結させる方法
では、価値観と才能が反発してしまう場合は一体どうしたら良いのでしょうか?
答えを言うと
「価値観に才能を合わせる」
です。
僕は個人的に、人生の充実度や幸福度を上げようと思ったら「価値観」を最優先すべきだと考えています。
価値観を見失ったり疎かにする=自分の大切にしたいことが大切に出来ない・・・という状態は、もちろんやりがいが感じられなくなり、幸福感や充実感が目に見えて減ってしまうことは容易に想像できると思います。
それに対して才能は「状況に合わせてうまく使うもの」です。
だからこそあなたの価値観に、才能を合わせていけば良いんですね。
先の例で言えば「本当はもっと人と繋がりたい!」という価値観をベースに・・・
「とは言え、あまりに沢山の人とコミュニケーションを取ろうとすると疲れるので、まずは1人との繋がりを深めてみよう!」
といった考え方が出来るようになります。
コミュニケーションが苦手なタイプは、何事においても慎重な人が多く「何十人ではなく、2〜3人の人たちと確実に信頼関係を築きたい」と考えることが多いです。なのでいきなりパーティに行って知り合いを増やすよりも、まずは1人と時間をかけて親交を深める方が向いています。
また「友人が多く顔が広い人」と繋がってしまえば、自分が一生懸命に沢山の人と会わなくても、それをきっかけに更なる繋がりを増やすことだって出来ますよね?
このタイプはじっくりと丁寧にコミュニケーションを取るので、最終的には相手から厚い信頼を得られることが多いです。その信頼感を活かして少しずつ繋がりを増やすことで「人との繋がりを増やしたい!」という価値観も満たされていきます。自分の才能をフルに使うので、ラクだし結果が出るのも早いですね。
これが価値観に合わせて才能をうまく使う、ということです。
まとめ
実際には価値観も才能も、もっと沢山の種類が存在します。
そういった価値観と才能が組み合わさると
「もっと勉強して知識を磨きたいけど、じっと座って本を読むことはできない・・・」
「お金を貯めたいのに、使う方が得意で全然貯まらない・・・」
「仕事でキャリア形成をしたいけど、新しいチャレンジをするのが苦手・・・」
といったケースの原因が理解できるようになり、自分なりの対応が考えられるようになります。
そして結果的に「自分らしく・自分の大切にしたいことを優先できる」という状態になることも出来るでしょう。
いずれにせよ、もしあなたが仕事やプライベートで行き詰まりを感じていたら
⑴まずは自分の価値観を知る
⑵自分の才能を知る
⑶価値観と才能を連動させる
の順番で試してみください。
自分の価値観と才能を知る方法として、弊社では「インタビューであなたの価値観を言語化するセッション」を提供しています。
また近々「自分で価値観と才能が分析ができるようになるためのワークショップ」も開催する予定ですので、ご興味があれば先にこちらに登録をしておいてください。メールマガジンの読者には優先的にワークショップの案内をさせて頂きます。
それでは最後までお読みいただき、ありがとうございました!