コラム
あなたのチームを強化する5ステップ〜すでに動き始めているプロジェクトを成功させるチームづくりとは?〜
このコラムでは「チームビルディング」に活かせるノウハウについて紹介しています。
もしあなたが
✔︎部下の育成に悩んでいる
✔︎自分のビジネスで今度チームを作ろうと思っている
✔所属している組織やコミュニティの役に立ちたい
✔︎社内でどんな人を採用すべきか?迷っている
✔︎すでに動いているプロジェクトがなかなか進まない
と感じているなら、是非続きをお読みください。
そもそも、チームを作る前に・・・
あなたが部下を抱えるマネージャーであれ、採用を行う人事担当であれ、自分のビジネスチームを持っている起業家であれ、チームビルディングを考える前にまず理解しておかないといけないことがあります。
それは「チームの良し悪しを決めるのは、チームメンバーの質だけではない」ということです。
なぜなら、そのチームが結果的に良いチームかどうか?は「プロジェクトの結果」によって決まるからです。
いくらメンバーが優秀で、仲が良くて、自発的で、目の前の課題に真摯に取り組むチームであっても、結果が伴わなければ評価ができません。
そう考えると本当に大切なのは、何のためのチームなのか?つまり「チームの目的」なんです。
チームの目的が十分に議論されていなかったり、目的を達成するために高すぎる目標が設定されていたりすると、いくらチームを強化しても意味がないんです。
逆に言えば目的が明確であり、メンバーがその目的に向かっているのか?を評価する指針がしっかり設定されていれば結果はついてきます。(もちろんメンバーのプロジェクト遂行能力も非常に重要なので、メンバー決めは手を抜くべきではありません。)
今あなたが関わっているチームがどんな課題を持っているかは分かりませんが、メンバーそのものに目を向ける前に「チームの目的はきちんと設定されているか?」を考えることが、課題解決への第一歩かもしれません。
・・・とはいえ、すでにプロジェクトが動き始めていて、今更メンバーを変えられない!今あるリソースで何とか目的を達成したい!という場合も多々あると思います。
ですので、今回は目的設定といった本質的な問題はさておき
「今のチームとメンバーで、目的を達成するためのチームビルディング」
についてお話したいと思います。
メンバーを知る
ここではチームを強化するための流れを「5ステップ」に分けて解説します。
5ステップの全体像は以下の通りです。
ステップ1:安心・安全の場を作る
ステップ2:メンバーを知る
ステップ3:強化すべき役割を明確にする
ステップ4:限りなく適正な人員配置をする
ステップ5:進捗確認のリズムを作りキープする
1つずつ説明していきましょう。
ステップ1:安心・安全の場を作る
ここでいう安心・安全の場とは「誰もが感じたことを即座にフィードバックできる場」のことです。
これは頭では分かっているけど出来ていない・・・というケースが多いのではないしょうか。
プロジェクトが進行しない原因は様々ですが、中でも大きな原因は「情報共有不足」にあります。
そもそも情報共有がされる仕組みが整備されていない、という問題もあると思いますが、多くの場合において共有を妨げるのは「感情」です。
つまり「担当業務の進捗が遅れているが、言い出しづらい(もしくは伝えると不利益になることが多い)ので、ギリギリまで自分の力で何とかしたい」という感情が原因になっていることが多いのです。
これを解消するためには「プロジェクトを成功させるために必要なことであれば何を言っても許される」という場作りしかありません。
これは言葉で言うほど簡単なことではありません。
しかし、プロジェクトリーダーがこういった場を作れるかどうか?がプロジェクト成功に大きな影響を与えます。であれば、このステップを疎かにする理由はありません。
そのために、これから説明する「ステップ2」が場作りを支える大きなパワーとなってくれるでしょう。
ステップ2:メンバーを知る
安心・安全の場を作るためには、場当たり的に個人の抱える問題を解決したり、表面的なルールだけ用意しても意味がありません。それをしてしまうとリーダーの負担が大きくなり過ぎてしまい本末転倒です。
そのために必要なのがステップ2「メンバーを知る」です。
あなたは安心の場を作るために、最も大切なことが何か分かりますか?
・・・それは「個々がオープンでいること!」です。
逆に言えば、人が安心を感じない究極的な理由は
「どうせ、自分のことなんて分かってもらえないだろう」
という恐れです。
こんなことを言ってしまうと怒られる、白い目で見られる、馬鹿にされる・・・という恐れが、メンバーから安心を奪います。だからこそ、安心・安全の場を作るために「メンバーのことをお互いがよく知る」というステップを忘れてはいけません。
何年も同じ職場で働いている仲間だから・・・という理由だけで、このステップを飛ばすべきではありません!
むしろ旧知の仲だからこそ、固定観念が植え付けられ、良くも悪くも「あいつは〇〇なやつ」というイメージを作り出すことがあります。
さらにここで言う「メンバーを知る」とは
・Sさんは優しくて気遣いができる
・Mさんは堅実でミスが少ない
・K上司は明るくて仕事ができる
といったレベルの理解ではありません。
個々が生まれ持った才能レベルで
・何が得意で?何が苦手か?
・どんな役割が向いていて?どんな役割が向いていないのか?
・どんなタイミングでより活躍することができるのか?
・どんな言葉が相手を加速させるのか?
・どんな言葉が相手を減速させるのか?
といったレベルでの理解です。
弊社「一般社団法人 思考・選択・行動アカデミー」では、この個々の才能について『ウェルスダイナミクス』というツールを使って理解を深めます。
『ウェルスダイナミクス』とは、世界で100万人が活用している起業家育成ツールであり、チームビルディングの観点からもMicrosoftやGoogle、IBMといった世界で名だたるグローバル企業で活用されています。
ウェルスダイナミクス(WD)では、個々の才能を
・ダイナモ
・ブレイズ
・テンポ
・スチール
という「4つのタイプ」に分けます。
それぞれの特性はざっくりと
<ダイナモ>
強み:物事を始めることが得意、誰も思いつかないアイデアを思いつく
弱み:最後までやり遂げることが苦手、詳細に目がむかない
<ブレイズ>
強み:コミュニケーション、人のモチベーションを高めること
弱み:注意散漫、八方美人になったり集中力に欠ける
<テンポ>
強み:任された仕事は最後まで責任を持ってやりとげる
弱み:何のルールもない場で動けない、指示を待ち過ぎてしまう
<スチール>
強み:数字やデータの分析、より効率的な方法を模索し物事を完成させる
弱み:コミュニケーション、人との会話
といった具合です。
さて、あなたのチームメンバーはどのタイプでしょうか?
ここでは大まかでも良いので、メンバーの才能を知ることから始めます。
才能についてはこちらの記事でも解説しています。
【ウェルスダイナミクスって何?】あなたはどのタイプですか?4つの才能タイプからみるあなたの特性とは??
ステップ3:強化すべき役割を明確にする
メンバーの才能を理解したら、次に行うのは「強化すべき役割」です。
これはプロジェクトの目的と時期(タイミング)によります。
例えばプロジェクトの初期において、チームに新しいアイデアや勢いが欲しい時期だったとします。
その場合は「斬新なアイデアを出す」「メンバーをやる気にさせる」「協力してくれる人を増やす」といった役割が重要になりますよね?
ある程度プロジェクトが進んだところ(中期)ではアイデアの具体的な実行(それに伴う顧客のケアなど)が必要な時期に入ります。
この場合は「期限内に確実に実行する」「細やかで手厚いケア」」といった役割が求められるはずです。
プロジェクト後期であれば、タスク完了と次の新たな動きに向けて「正確な進捗確認」「無駄を省いてより良くする」といった役割が求められる時期に入りますね。
このように、プロジェクトがどんな時期に置かれているのか?(もしくは会社やコミュニティ全体がどんな時期にいるのか?)を把握し加速させるために、適切な役割を見出す必要があります。
これを無視して・・・本来なら「改善」をしなくてはならない時期に「アイデア出し」や「メンバーのモチベアップ」に注力していたら、エネルギーが分散されてしまい、成果が出ないどころかメンバーのモチベーションも下がっていくでしょう。
これがプロジェクトの時期において「強化すべき役割の明確化」です。
ステップ4:限りなく適正な人員配置をする
ステップ3で強化すべき役割が分かったら、次に行うのが「限りなく適切なメンバーに役割を与えること」です。
ここではステップ2で分かったメンバーの特性と、それぞれの役割を照合させる・・・
つまりプロジェクトが初期なら、ダイナモやブレイズのメンバーを配置する。
中期〜後期ならテンポやスチールを配置する。
ということです。
「限りなく適切なメンバー」と表現したのは、現場ではピッタリの役割が担えるメンバーがいないこともよくあるからです。この場合は「個々の才能が、どこまで自分の能力をストレッチできるか?」がポイントになります。
もう一度、ダイナモとテンポの特性を見てみましょう。
<ダイナモ>
強み:物事を始めることが得意、誰も思いつかないアイデアを思いつく
弱み:最後までやり遂げることが苦手、詳細に目がむかない
<テンポ>
強み:任された仕事は最後まで責任を持ってやりとげる
弱み:何のルールもない場で動けない、指示を待ち過ぎてしまう
これを見て、お互いが「正反対の才能」を持っていることがお分かりいただけるでしょうか?(これはブレイズとスチールにも言えることです。)
では、あなたのプロジェクトが初期段階だとして「チームにダイナモがいない!」ということが分かったとしましょう。
あなたならどうしますか?
・・・少なくとも「とは言え、プロジェクト初期(ダイナモ)のタスクを、テンポのメンバーだけに委ねるのは得策ではないかもしれない。」という考えは浮かびますよね?
ではどうすれば良いのか?
ここでの正解は
「ブレイズタイプのメンバーでカバーすることができないか?」
を考えてみることです。
今回は詳細を省きますが、ブレイズは人によって「頑張ればダイナモの才能をカバーできる」という可能性があるからです。
このように「ぴったり当てはまるタイプ」がチームにいない場合「代わりになる人は誰?」という発想に切り替える必要があります。
これが「できる限り適切なメンバー」と表現した理由です。
ステップ5:進捗確認のリズムを作りキープする
ここまでの流れを作り上げたら、最後は「進捗確認のリズムをキープする」ことです。
どれだけチームの基盤を固め、強力な流れを作ったとしても、些細なことが原因でリズムが崩れればプロジェクトは失敗します。
この最後のリズムキープが出来ずに、せっかく良いところまで進んだプロジェクトが頓挫したり、中途半端な結果に陥るケースもよくあります。
そんな事態を避けるためには、流れているリズムをキープすること・・・具体的には「ルールの徹底」が基本です。
例えば「会議を通じて進捗を確認する」にしても
・週に何回会議を行うのか?
・何曜日、何時から行うのか?
・誰が参加するのか?
・誰がファシリテーション(進行役)を行うのか?
・各会議で最低限明らかにすることは何か?
などを決めておく必要があります。
これはあなたにも経験があるかもしれませんが・・・
・何について話されている会議なのか分からない
・話された内容が実行に移されず、毎回同じことを話している
・ファシリテーターが不在でまとまらない
・集められているメンバーが主要の情報を持っていなかったり決裁権がない
・着地点が決められていない
といった会議は最悪です。
細かいことですが、意外に出来ていないチームをよく見かけます。
チームリーダーはこういった部分からリズムを作り出し、キープすることでプロジェクトをゴールまで導く必要があります。
確実にプロジェクトを達成するために・・・
以上、今回は「あなたのチームを強化する5ステップ」について解説しました。
この5ステップを確実に行うことであなたは
・風通しがよく透明性の高いチームになる
・限られたメンバーで生産性を最大限アップできる
・得意な役割を担うことで、個々のモチベーションをアップさせる
・メンバー同士の理解が深まり結束が固まる
・リーダーがプロジェクト全体を把握しやすくなる
というメリットを得ることができます。
今回のお話があなたのプロジェクトを成功させるきっかけになれば幸いです。
<最後に>メンバーの才能分析について
今回の話の中には、個々の才能分析など、それ自体を見誤ってしまうと結果に大きく影響が出るポイントもいくつかあります。そのため才能を扱う場合は、才能についてよく理解している専門家の力も必要です。
弊社代表はウェルスダイナミクスにおいて日本に3人しかいない公認トレーナーであり、才能を扱う専門家です。これまで1,000人以上にウェルスダイナミクスを伝えてきた経験を活用しながら
・チームメンバーの才能分析
・人員配置や採用の相談
・プロジェクトの目的設定
・リーダーを支えるパーソナルコーチング
などをサポートさせて頂きます。
無料相談(オンライン・30分)にて詳細を伺い、必要な対応をご提案させて頂きますので、こちらからお気軽にご相談ください。
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