コラム
“転職”を有利に進める“あなたの価値”の見極め方 〜ウェルスダイナミクス応用編〜
あなたは転職を考えたことはありますか?
私は会社員時代に何度もありました(笑)
私のセッションを受けに来てくださる方にも、転職の相談は非常に多いです。
そんな時にお話するのが今回のテーマでもある
「自分の価値の見極め方」
です。
「価値」という言葉を使うと、大層なものに聞こえるかもしれませんが、誰でも価値を持っています。しかし残念ながら、その価値を言語化して「自分の魅力」として発揮できている人は多くありません。
当然、自分の価値を分かりやすく表現することができれば、相手に伝わりやすくなります。
面接官の頭の中に「この人は〇〇で活躍できそうだな・・・これはうちの会社にメリットがありそうだ」と思わせたら、その時点でかなり有利なんですね。
今回はそんな自分の価値を言語化して、転職はもちろん、今の職場でも同僚より頭2つほど抜きん出た存在になる方法をお伝えします。
転職したい人あるある
まず、よくあるのが
「今の仕事は向いていないんです・・・自分に向いている仕事って何ですか?」
というご相談です。
この言葉を聞くたびに「なぜ、向いていないと決めつけるのか?」と、私は少し寂しい気持ちになります。
転職となると、お仕事を変える前提・・・しかも「いまの仕事は向いていない」と考えることで全く異なった業界や、未経験の仕事を探そうとする方が沢山いらっしゃいますが、それは得策でしょうか?
そもそも転職を考える時には
「本当に会社を辞める必要があるのか?」
も併せて考えるべきだと思います。
とはいえ、本人にとっては「何が正しい答えなのか?」当然迷うわけです。
その気持ちもよく分かります。
というわけで、ここでウェルスダイナミクスにおける
「内的価値」
という考え方をお伝えしたいと思います。
「ウェルスダイナミクス」とは? 一般社団法人 思考・選択・行動アカデミーでは、人材教育を行う上で「ウェルスダイナミクス」の理論を扱っています。 ウェルスダイナミクスとは、世界で100万人が活用している起業家育成ツールであり、チームビルディングの観点からもMicrosoftやGoogle、IBMといった世界で名だたるグローバル企業で活用されています。
「内的価値」については、こちらの記事も参照してください。
あなたを輝かせる内的価値とは?
内的価値とは、その言葉通りあなたの内側にある価値・・・つまりあなたの価値そのものを指します。ビジネスや株、不動産が目に見える価値だとすれば、内的価値は「目には見えない価値」と言えるでしょう。
自分の価値と言われると
「いやいや、自分にそんな価値なんてありません」
とおっしゃる方がいらっしゃいますが、ご安心ください。
ウェルスダイナミクスでは誰でも自分の価値を理解できるよう、価値の種類を分かりやすく6つのカテゴリーに分けて考えます。
それが
①情熱:お金をもらわなくてもやりたいこと
②才能:ラクに人よりうまくできること
③知識:人がお金を払ってでも欲しいと思うもの
④人脈:お願いと言ったら動いてくれる人
⑤人格:他人からどんな人だと思われているか?
⑥目的:社会貢献としての人生の目的
です。
これらは全てあなたの内面にあるもので、他人を動かす理由=価値になります。
あなたの周りにいる人は、何かしらのきっかけであなたの内的価値に気づき、それを価値のあるものと感じて行動を起こします。
例えばあなたが「ギター」に対する情熱を持っていたとしましょう。
あなたは友人との会話の中で「あのバンドめちゃくちゃカッコいいよね!ギターの音色がたまらないんだよ」といった話をしました。
それを聞いた友人は「え、お前ギター好きなの?」となり、そこで初めてあなたがギタリストである事を知ります。
そして「何でもっと早く言わなかったんだよ!実は俺もギターやってるんだよねぇ。じゃあ今度一緒にスタジオでセッションしない?」といったように、相手にやる気と行動を起こさせます。
もしくは、あなたがギターの描かれたTシャツを着ているのを見て、相手が「え、お前ギター好きなの?」なんて展開もあるかもしれません。
いずれにせよ情熱は溢れ出るものなので、あなたの内面から「ギター好きにしか分からないもの」が醸し出された結果、周囲の人へ影響を与えたわけです。
これは情熱の場合ですが、それが才能、知識・・・となっていくと
才能:あなたはギターがうまい
→相手は「この人のギター演奏を見てみたい!」となる
知識:あなたはギターにすごく詳しい
→相手は「この人にギターについて教えて欲しい!」となる
人脈:あなたは有名なギタリストと知り合い
→相手は「その人に会ってみたい!紹介して!!」となる
といったように、より分かりやすく相手が価値を感じるきっかけになりますよね。
※人格・目的は少し意識の高い領域ですが、考え方は同じです。
これが「あなたの内的価値が表現された状態」です。
あなたはこれを仕事に置き換えて、転職時の面接官に同様の行動を起こさせれば良いわけです。
内的価値をまとめるポイント
まずは各カテゴリーで自分にあてはまるものを書き出して、1本の軸にまとめていきます。
セオリーとしては情熱から順に
①自分の情熱って何だろう?
②その情熱に沿った才能って何だろう?
③じゃあ才能を活かせる知識ってなんだろう?
と考えていきます。
最終的に、綺麗に①~⑥が揃った状態が「自分の価値の軸が整った状態」です。
この軸に一貫性を持たせ、それぞれの価値レベルを更に磨いていくと「芯が通っていてブレない、非常に魅力的な人」になっていくんです。
では、ここで実際にワークをしてみましょう。
この流れを今のお仕事に当てはめて考えてみてください。
あなたの内的価値を見つけるワーク
①情熱について
あなたは、なぜ今の仕事を選んだのでしょうか?
「お金のため」
「他に就職先がないから仕方なく」
といったネガティブな理由は一旦横に置いて、新入社員の時やその会社に入ったばかりの頃を思い出してみてください。
また今の仕事の全てが好きではなくても「これをやってる時は楽しい!」と思える瞬間を探してみましょう。
「仕事を通じて〇〇を学びたいと思った」
「この仕事をすれば〇〇といった経験が手に入る」
「営業自体は嫌いだけど、商品を作るのは好きだ!」
「お客さんの要望を先読みして行動するのが楽しい」
など、思いつくことは無いでしょうか?
それが情熱です。
②才能について
今の仕事で活かされているあなたのの才能は何でしょうか?
才能は人よりうまくできることです。
・自分はラクなのに結果がでやすいこと
・やけに周りから褒められること
・他人ができなくてイライラすること(自分の才能だから他人にはできない)
を考えてみてください。
もし迷ったら、ウェルスダイナミクスの「才能タイプ」の考え方が役立つでしょう。
是非こちらも併せてお読みください。
③知識について
これはお客様に提供できるプロフェッショナルな知識のことです。
あなたの会社は、何かしらの領域でお客様に価値を提供しているはずです。
あなたの会社の専門分野はなんでしょうか?
また、そんな中であなたが担っている役割は何ですか?
・企画
・商品開発
・営業
・経理
何でも良いですが、その役割には必ず「専門知識」があるはずです。
例えば「1万時間の法則」を参考にするのも良いと思います。
1つの物事に1万時間(会社員だと週5、1日8時間勤務で約5年)を投資すると、その分野のプロフェッショナルと呼べるそうです。
④人脈について
あなたが会社員の場合、これはあまりピンと来ないかもしれません。
しかし、もし入りたい会社に人脈があれば、それはあなたの転職をより有利にする強力な要素となりますよね?だからこそ人脈も内的価値なのです。
とは言え、実際は転職活動で人脈をアピールする機会はそう多くありませんので、もし思いつかなければ今は空欄でも構いません。
ワークとして書く場合は「人脈=あなたがお願いと言ったら動いてくれる人」なので、あなたの会社のチームメンバーが挙げられると思います。
もしあなたが営業などで外部の会社とも繋がりがあれば、その方の名前を書いておきましょう。
⑤人格について
ここからは少し意識が上がりますが、相手に与える影響度は非常に強くなります。
しっかり考えてみてください。
では社内であなたはどんなキャラクターで知られていますか?
これはあなたに対する周りからの信頼を指します。
・真面目で責任感がある人
・温和でメンバーへの自然な気遣いができる人
・ちょっと抜けてるけど社内のムードメーカー
などなど。
どんな人として認識されているでしょうか?
どれだけ優秀な才能を持っていて、誰にも負けない知識を持っていたとしても「人格」が伴っていないと相手の信頼を勝ち取ることはできません。
横柄な態度で面接を受ける人はいないと思いますが、ちょっとしたことで人格は周りに伝わります。面接の時に表面的にうまくごまかして入社できたとしても、すぐにバレるのです。
⑥目的について
これは本来「あなたの人生の目的」を指しますが、ここでは会社の理念となります。
今の会社が掲げている理念と、あなたの持っている内的価値を繋いでみてください。
「いや、今の会社の理念に共感できないから転職したいんですけど・・・」
ではなく「いま、なぜあなたがそこで働けているか?」に徹底的に注目してください。
もちろん会社員である限り、100%自分の情熱と仕事がマッチしている・・・というのは難しいかもしれません。
しかしあなたがここまで続けてきた仕事なのであれば、何かしら繋がる部分はあるはずです。
あなたの会社は何のために存在しているのでしょうか?
社長はどんな想いを持っていますか?
それを見つけ出して、あなたの中にある情熱や目的と融合させてください。
以上。
転職を考えるその前に・・・
このように、私が転職の相談を受ける時にはまず
「内的価値における6つのカテゴリーがしっかりと整っているか?」
を見極めてくださいとお伝えしています。
多くの場合は「やりたいことと違う!」と口では言いつつ「じゃあ、あなたのやりたいことは何?」と聞くと答えに困ります。自分の情熱が何なのか?理解できていないんです。
また「自分はこの会社に必要とされていない」と言いつつ、「じゃあ、何で給料もらえているの?」と聞くと黙ってしまいます。給料の対価として、会社に提供している自分の才能に気づいていないんですね。
そして「この仕事は向いていない!」と言って、それまで培った経験(内的価値)を全て無視して、全く別の業界に移動しようとします。それがダメとは言いませんが、あなたの内的価値はその時点で”ほぼゼロ”からスタートになることを覚えておいてください。
もちろん「転職して正解だった!」というケースも多々あります。
私のクライアントにもそういった方は大勢います。
しかし、自分と今の環境に対して何の分析も行わず、未来をひとときの感情や直感に任せてよいのでしょうか?
恐らく、普通は自分の価値について考えることはほとんどないと思います。だからこそ、この内的価値を考えてみると色んな発見があるんですね。
「実は今の仕事を続ける方が自分らしい!」と気づくかもしれません。
「いや、職場を変えた方がキャリアアップできる!」と確信を持てるかもしれません。
内的価値をしっかり整えておくと、今後一生使えるあなただけの宝物になりますよ。
弊社のメルマガでは、今回のような内的価値に関する情報はもちろん
・ウェルスダイナミクスの使い方
・個々が才能に満ち溢れたチームビルディング
・コーチングを通じて人格を磨く思考法
などをお伝えしています。
コラムでは書けないことも発信していますので、興味があれば以下より受け取ってみてください。
それでは最後までお読み頂きありがとうございました。