コラム
消費から見る世の中の仕組み(後編)
前回の最後に質問した
1.最近、衝動買いをしたものは何ですか?
2.それを買った理由は何ですか?
・それに興味をもったきっかけは?
・それをどこで、どうやって知りましたか?
・どこで買いましたか?誰から買いましたか?
・買う決め手となったのは何ですか?
については考えてみましたか?
前回は総務省の家計調査から「所得が増えると消費の割合が減る(黒字が増える)」というポイントに触れました。
というわけで続きです。
では早速ですが、結論をお伝えします。
所得の高い人と低い人では「消費に対する考え方」が根本から違うんです。
この資本主義時代において、多くの人は「消費」の中にいます。
例えばあなたが
・新しいスマホが欲しい
・時計が欲しい
・ブランドバッグが欲しい
・かっこいい車が欲しい
・大きな家が欲しい
と思った時、そこでは一体何が起きているでしょう?
スマホも時計も車もバッグも、生きるために必要なものではありません。
なのになぜ「欲しい!」と思うのでしょうか?
その答えが「消費を促す仕組み」にあります。
例えばいま岸田政権では「資産所得倍増計画」という政策が打ち出されています。
ちなみにこれは令和版であり、元々は1960年代の計画でした。
“所得倍増計画(しょとくばいぞうけいかく)は、1960年に池田内閣の下で策定された長期経済計画。閣議決定された際の名称は国民所得倍増計画(こくみんしょとくばいぞうけいかく)という。”
Wikipediaより
実は、昔からサラリーマンの典型的な夢とされる「マイホームを持ちたい!」という願望は、この所得倍増計画が始まりだったそうです。
簡単に言うと、当時の池田内閣は「世の中でしっかりお金を回していけば国民経済は成長し所得は2倍になる」と考えていました。
そのプロセスの1つとして、いかにお金を動かすか?を考えた時に「高価な家を国民に買ってもらおう!」となったわけです。
実際に池田首相はそれを実行し、予定より3年も早く国民所得を倍増させました。
※正確には第二次世界大戦後の日本のインフラ状況など様々な要因があったようです。
その名残が今でも「夢のマイホーム」として残っているというわけですね。
これは家だけでなく、車も時計もブランド物も全て同じことが言えます。
その背景には「誰かの売りたい意図」があります。
では少し話を戻して。
あなたが衝動買いしたのはどんなものだったでしょうか?
そもそも何がきっかけでそれを欲しい!と思ったんでしょう?
・・・そこには「誰かの意図」が存在していませんでしたか?
誰か?とは店員さんかもしれませんし、企業やメーカーかもしれません。
電車の中や街中の広告だったり、店員さんの巧みな話術で「あ、それ欲しい!」と思ったのではないでしょうか(笑)
資本主義の中で企業は「どうしたら商品が売れるか?(マーケティング)」を常に考えています。
マーケティングは時代のニーズに合わせどんどん発達しています。
最近よくあるのは「YouTube見てたらたまたま自分の欲しいものが宣伝されていた」というパターンでしょうか。
そこでついつい購入ボタンをポチッとしてしまうんです。
ちなみにお分かりだとは思いますがそれは「たまたま」ではなく、あなたの日々のネット検索や、見ている動画のカテゴリーなど、趣味嗜好を理解した上で表示されているものです。
そう考えると僕らの日常は「いかに消費させられるか?」という仕組みの中にあると言えるんですよね。
では所得の話に戻ります。
僕の知り合いで資産数億円、不動産をいくつも持っている方は無駄な買い物を一切しません。
購入した不動産の設備補修も型落ちしたものを交渉して安く仕入れたりするそうです。
またあるお金持ちは「買い物はシーズンをずらせ!」と言っています。
扇風機は冬に買えば安いでしょ?だったら安いときに買おうよ。ってことですね。
これらはあくまでテクニックですが、こういった人たちは「どうしたら賢くお金を使えるか?」と、常に頭を働かせているはずです。
そんな思考の習慣が仕事やビジネスに活かされることで、結果的に所得にも反映していく・・・
極端な考え方かもしれませんが、僕はそう考えています。
繰り返しになりますが「世の中は消費者がもっと消費するように仕組み化されている」といっても過言ではありません。
そんな仕組みの中で何も考えず漠然と過ごしていると、必要以上のお金が必要になり、なかなか生活が豊かにならない・・・という状況を生み出す可能性があるわけです。
じゃあどうするか?
世の中はこういうものだと理解しておく必要があります。
もっと言えば、周りで起きていることをただ受け入れるのではなく
「なぜ、そうなっているんだろう?」
と、自分なりに思考することが大切だと思うんです。
今回は所得を例にしましたが、世の中には色んな仕組みがあります。
物事の仕組みや本質が分かると世界の見え方が変わるはずです。
僕自身もまだまだ無知ですが、人生を豊かにするために自分なりに考え続けています。
是非、あなたも身の回りで起きていることを眺め、その背景で起きていることを考えてみてください。
きっと新しい気づきが得られるはずです。
弊社は「自分で思考・選択・行動できる人材を育てる」をミッションに活動しています。
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それでは、今回は2回に分けての長編となりましたが、最後までお付き合い頂きありがとうございました!